中学2年生の国語の教科書に載っている「走れメロス」。

久々に音読。
(まぁ授業で取り上げたってことですけど)

メロスに限ったことではないですけど、やはりこの時代の作品はフレーズ感がありますね。特にこの「走れメロス」は疾走感が。

高校生になると「羅生門」とか「山月記」「舞姫」「高瀬舟」あたりが題材になるんですけど、読むたびに感じ方が変わってきます。

もちろん自分の年齢によって。
おかれている環境によって。
今の体調によって。心境によって。


教科書シリーズでいうと、今現在のイグチベストは夏目漱石の「こころ」。
言いようのない孤独感とか寂しさが押し寄せてきます。
どれほど愛しても、また固い友情で結ばれていても、最後の部分でひとは利己的な自分を忘れることができない。
人間の持つ圧倒的な「ひとり」の部分。

比較するのはいくら何でもおこがましいですが、「ひとはひとりじゃない」と自分の脚本で書き続けてきた身としては、「ぐへえ」と思ってしまうわけです。


それでも。


それでも、「ひとりじゃない」と書けるなら。
そこに淡いかすかな期待や希望を書けるなら。

もうすこし、ふんばってみたいのです。