8月29日に、ドラマ工房前ディレクターの東修さんがお亡くなりになりました。

あまりに突然のことで、もちろん悲しいのだけれどなんだか頭がまとまらなくて、実感がわかなくて、呆然とした。
そしてなんだか違和感を持ったまま、昨日のお通夜、今日の葬儀と、お経を聴きながら東さんのことを思いだしていた。



19歳の僕が劇団110SHOWに入団したときに、代表をされていたのが東さんだった。
僕と東さんとは18歳違いだったから、あのころ東さんは37歳だったことになる。気がつけば今の自分もまもなくそういう年齢だ。

東さんは、まるで「劇団のお父さん」のようだった。

細かいことにはこだわらず、若くてナマイキな僕たちに好きなようにさせてくれていた。でも、本当に困っているとき、本当に間違っているときには、必ず一言言ってくれる存在だった。


大道具を作ったりいろんな作業をしたあとには、よくご飯を食べに連れていってもらった。僕も含めて若い子が何人かいたけれど、東さんは絶対に僕らに払わせなかった。「なーん、いいがやいいがや」と笑っていた。

一度、「東さん、僕払いますよ!」と結構しつこく言ったことがある。

今思えば、いつまでも「若い衆」じゃないんだなんて背伸びしていたのかもしれない。そういうところが子どもなんだけど。

そのときに東さんに言われたことが今でも印象に残っている。

「そうやって払ってくれる気持ちがあるんやったら、今度は自分より若い子を連れてってやるこっちゃ。わしらもそうしてもらってきたんやから順番なんや。」


かっこいいなぁ、って思った。



それから年月は流れて今度はドラマ工房のディレクターとして一緒に仕事をするようになった。

正直、意見が違うところもあったし、やっぱりナマイキにも東さんに食ってかかるような失礼なことをしたこともある。それでもやっぱり東さんは誠実に、しかし言うべきことはしっかりと言ってくれた。


僕は「めんどくさい奴」だったと思う。
でも、じっと待ってくれていたんじゃないか。



お経を聴きながら僕にとって東さんは「演劇のお父さん」だったんだなぁと感じた。そしたら、どんどん涙があふれてきた。

さみしくて仕方がない。
悲しくて仕方がない。
不安で仕方がない。

だけど、やっぱり、仕方がない。
子どもはいつか親離れしなきゃいけないのだから。


東さん、さようなら。
心より、本当に心より、ありがとうございました。
ゆっくりと休んでください。





追記(ご遺族、関係者の方々へ):僕なりに精一杯心を込めて文章を書いたつもりですが、万が一失礼な点などございましたら、ぜひお知らせください。心よりお詫び申し上げるとともに、訂正あるいは削除させていただきます。