初日分を書いてあっという間に2週間。ぐう。

遅ればせながら二日目の感想でございます。

あ、一本目の丹南高校「七人の部長」は観ることができなかったので、まずは羽水高校さんから。

 

4)羽水高校「怪人エチゼンクラーゲン」(創作:川島大暉)

 

大会パンフを見ると、作・演出に加え主人公の「樹(いつき)」がすべて同じ生徒さんが担当しているが、舞台を見る限りは作演出主演のワンマンチームというよりむしろ「部員みんなで考えました!」という雰囲気があり、部員同士仲がいい楽しい部活なんだろうなあと思わせる。

 

それはともかく。

 

この作品はタイトルが秀逸。「怪人エチゼンクラーゲン」。タイトルセンスがない私としてはとってもうらやましい。

内容は、父親との関係(進路含む)と演劇部の脚本創りをリンクさせ、悩みながらも成長していく主人公の姿を描いた青春ストーリー。よくあるといえばよくある話なんだけど、やっぱり高校生はこういうの好きなんだろうなあ。創る方も観る方も。高校演劇だから当然客席には高校生が多いわけで、そこにターゲットをもっていくのは決して悪いことではないと思うんだけれど。うーん。


 この作品に限らず最近の高校生の創作脚本は良くも悪くも「アニメ的・ラノベ的」なんだと思う。典型的な登場人物、典型的な展開、わかりやすい笑いなど、「はみ出てこない感」を強く感じるのだ。もちろん、アニメにも「はみ出た」作品は多くある。ゆえにそれらは「名作」と呼ばれているのだろうし他のアートに影響を与えてもいるだろう。だとすれば、「アニメ的に創られているからこそ成功している舞台」が生まれてもいいんじゃないか。しかしそのためにはアニメだけでなく演劇のつくりを知らないと難しいよなあ、などとそんなことを考えてしまう。

 

 それはともかく。(二回目)

 

 この作品で強く心に残ったセリフがある。
(以下、福井県高校演劇連盟発行の「創作脚本集」より引用)


海人「あのさ、皆、なんのために演劇やってるわけ?」

樹 「そんなの決まってるだろ!お客さんに喜んでもらうためだよ!」

春 「そうですよ!私たちが楽しく演じれば、お客さんもきっと楽しいに違いないって思います!」

 

 まさにそうなのだ。
「私たちが楽しく演じれば、お客さんも楽しいはず」このスタンスがひっかかるのだ。
今回の作品では、このように主張する樹や春に対して、同じ演劇部員である海人は「なんか違うんだよなあ」と答え、それをきっかけに彼らの芝居は変わっていく、というつくりになっているのだが、そもそもこの作品自体が「私たちが楽しく演じれば、お客さんも楽しいはず」というスタンスで創られていうような気がしてならない。たとえば中盤で「特訓」と称してダンスを踊るシーンがあるのだが、そこに部員だけでなく顧問の先生や樹の父親(!)役の俳優まで加わり踊るのだ。脚本的にはどう考えても筋が通らない。「みんなで踊った方が楽しいじゃん」しか考えられないのだ。ダンスもきっとたくさん練習したのだろう。しかし、海人ではないが、「なんか違うんだよなあ」。

 

 ある意味、明るく楽しく仲良くできるのであれば部活動としてはOKなのかもしれない。しかし、それでもしかし、引っかかるものは引っかかるのだ。私がおっさんになったからだと言えばそれまでなのだが。